授業の目標・概要

作物、園芸植物、昆虫などの農業生物と、それらに影響を与える環境条件や微生物等、さらにそれらが構成する農業生態系ないし生産システムを対象としたインフォ マティクスを学ぶ。

担当教員

嶋田 透 (東大・農・生産・環境生物学専攻 / 教授)ほか

お知らせ

講義室は農学部2号館1階化学第3講義室になります。ご注意ください。

レポート課題

    下記の課題を2017年12月20日(水)までに
    アグリバイオ事務局'report@iu.a.u-tokyo.ac.jp' に電子メールで提出

    • 課題:「農学生命情報科学特論III」の5回の講義を通して学んだ農業生物インフォマティクスの現状と課題を総合的に述べなさい。また、担当講師1名(氏名を特定しなさい)の講義内容に密接に関連する原著論文を1つ読み、その論文の内容と当該講義とを関連づけてやや詳しく考察しなさい。以上2点を合わせて2000字以内で記述すること。
    • 提出期限:2017年12月20日
    • 注意:レポートには、氏名、(学生の場合は)学生証番号、選んだ講義(日にち、講師名)を明記すること。

講義日程(平成29年度)

  1. 平成29年11月 1日(水)
    時間:17:00-19:00
    場所:農学部2号館1階 化3講義室
    講師:岩田洋佳(東大・農・生・生測)
    題目:Selection 4.0: 植物のモデルベース開発
    要旨:QTL解析に基づくマーカー利用選抜(MAS)では、多数の遺伝子に支配される複雑形質の改良は難しいとされてきた。ゲノムワイドマーカーをもとに遺伝的能力を予測し、優良個体を選抜するゲノミック選抜(GS)が、MASでは難しかった複雑形質の改良に用いられ、乳牛育種では大きな成功をおさめつつある。なお、GSはゲノムワイドマーカー情報のみをもとにして予測を行うため、環境の変化に対する表現型の変化を予測できない。これはGSの大きな欠点の一つである。最近、こうした欠点の克服のため、ゲノミック予測モデルを作物生育モデルなどと組合せて利用することで、環境の変化に対する表現型の変化をモデル化し、それをもとに選抜する試みが進められている。例えば、日長や気温に応答する開花のタイミングは、作物生育モデルを用いて比較的精度良く予測できるが、そのパラメータのゲノミック予測を行うことで、未試験の環境における開花のタイミングを予測できる。これにより、将来環境(例えば、温暖化)を仮想したシミュレーションをもとに、その環境における開花のタイミングを予測できる。このように、モデルとシミュレーションを用いることで、コンピュータ内で対象物の挙動を予測し、それをもとに開発を進める手法は、モデルベース開発(MBD)とよばれる。MBDは、車や航空機の開発に用いられ、開発過程の大幅に効率化に成功している。上述したシステムを発展させれば、植物の品種開発においてもMBDは可能であると考えられる。本講義では、植物のMBDシステムの開発をテーマとして、それに関わるであろういくつかの解析手法について概説する。

    講師:平藤雅之(東大・農・国際フィールドフェノミクス)
    題目:フィールドフェノタイピングにおけるセンシング
    要旨:ゲノム情報に比べて我々が入手できるフェノタイプ情報は極端に少ない。農学の進歩が他分野に比べて遅いのは、対象の複雑性に対して得られるデータが桁違いに少ないことに起因しており、フィールド(野外の圃場や温室等の施設内)におけるフェノタイピングが大規模かつ自動的にできるようになると、育種や栽培研究が大幅に加速されることが期待される。野外では気温、湿度、日射量、CO2濃度といった気象環境データだけではなく、土壌水分や地温などの土壌環境情報が必要である。これら環境情報と生長速度等の形質情報からなるビッグデータが得られると信頼性の高い様々な知見が大量に得られるようになり、雑種強勢等農学における未解明問題の迅速な解明や最適環境制御技術の開発が可能になると考えられる。 農業以外の産業においてはICTや人工知能による失業増等が懸念されているが、大規模農業では生産性の向上や人手不足対策としてスマート農業や農業ロボットの普及が期待されている。今後は、機械学習をベースとした人工知能農業によって、食料生産の自動化・無人化がいよいよ射程に入ってくる。これは石器時代の狩猟から農耕になって、労働力、食料力及びその他のリソースの制約を基礎としたこれまでの我々の社会システムにとって極めて大きなエポックである。
    本講義では、農業におけるセンシング及び計測事例、モデリングに関する具体的手法に関して紹介する。また、農業におけるICT、人工知能等の活用がどのようなインパクトをもたらすかを論じたい。


  2. 平成29年11月 8日(水)
    時間:17:00-19:00
    場所:農学部2号館1階 化3講義室
    講師:岸野洋久(東大・農・生・生測)
    題目:集団遺伝と分子進化における数理モデルの温故知新
    要旨:ゲノムレベルの解析が日常化し、トランスクリプトーム、メタボローム、エピジノームと多様な側面から生命現象を捉えることができるようになってきました。データ解析の方法も激変しているように思われます。こんな中で、ここではちょっと一服し、集団遺伝と分子進化における数理モデルとデータ解析の方法の、20 世紀初頭以来現在に至る歴史の大きな流れを振り返りたいと思います。データが質的にも量的にも変貌するに伴い、時を経ずしてこれにマッチした新理論・仮説、および新たな定量分析の方法が提案され、定着してきたことを見るでしょう。そして、私たちの最新の成果を2-3紹介しつつ、モデルの精緻化が進む一方で、データが巨大になるにつれて情報の縮退が注目されていること、二次データを古典理論で解釈するというアプローチが勃興していることを自由に感じ取りたいと思います。

    講師:井澤毅(東大・農・生・育種)
    題目:作物の真の姿を知る!―フィールド・トランスクリプトームのすすめ―
    要旨:生き物は、野外の変動環境の中でたくましく生きている。その中で、植物は、哺乳類のように恒常性を強めるのではなく、刻々と変動する野外環境に的確に応答することで、自然界で生き残る力を身につけてきた。しかしながら、これまでのほとんどの植物・作物の分子生物学・分子遺伝学的研究は、複雑な変動環境下での低い実験再現性を嫌い、人工的に制御された安定環境下での実験からの知見に終始してきた。つまり、我々の植物・作物に関する分子生物学的な知識は、きわめて限定的な栽培環境での知見に過ぎないのである。これでは、社会実装に資する知見は得られない。我々は、水田で栽培中のイネの葉のトランスクリプトーム(全遺伝子発現)解析(フィールドトランスクリプトーム解析)を大規模に行い、全遺伝子発現の環境応答性を栽培地域の環境変動データの関数として統計モデル解析している。また、遺伝子発現データの単純な線形結合で、重要な農業形質に関する情報を手に入れる手法を開発している。本講義では、最新の解析結果を含め、我々のフィールドトランスクリプトーム解析に関して紹介する。


  3. 平成29年11月15日(水)
    時間:17:00-19:00
    場所:農学部2号館1階 化3講義室
    講師:木内隆史(東大・農・生・昆遺)
    題目:なぜカイコはクワを食べることができるのか?
    要旨:ご存知の方も多いと思うがカイコはクワを食べて成長する。しかし、クワの乳液中にはクワの主要な栄養素であるショ糖の分解を阻害する糖類似アルカロイドが多量に含まれており、カイコガ科の近縁種を含め多くの昆虫はクワを利用することができない。それでは、なぜカイコは他の昆虫と異なりクワを利用することができるのであろうか。その疑問を解くために、私たちは次世代シークエンサーを用いたトランスクリプトーム解析を行い、中腸で発現する遺伝子を網羅的に同定し、その発現量を近縁のカイコガ科昆虫を含めた複数の鱗翅目昆虫と比較した。そのうち、カイコで発現量が多かったショ糖分解酵素遺伝子について組換えタンパク質を作製し、試験管内で酵素反応実験を行ったところ、カイコのショ糖分解酵素は近縁の昆虫と比較して糖類似アルカロイドに対する抵抗性が高いことが明らかになった。そこで、これら遺伝子の存在が、カイコがクワを利用できることにどの程度貢献しているかを実際に調べるために、ゲノム編集技術を用いてこれらショ糖分解酵素遺伝子のノックアウトカイコを作出した。さて、これらノックアウトカイコはクワを食べることができるだろうか。本講義では期待を持って行ったクワ食性試験の結果とその考察までお話ししようと思う。

    講師:今野浩太郎(農研機構)【非常勤講師】
    題目:植物の防御を昆虫は打破して食べているのになぜ森林や草原は緑で植物だらけなのか?:草食動物・肉食動物の具体的な生物量を予測する定量的食物網新数理モデルが示す現実
    要旨:植物は昆虫などの植食(草食)動物に対して様々な毒物質、生長物質トゲ、乳液などの防御を発達させて身を守っている。しかし、これらの植物を専門に食べるスペシャリスト植食(草食)昆虫は生理生化学的あるいは行動的に植物の防御を完璧に打破して食べることができる。この事実は私や他の研究者の研究結果により一貫して示されてきた事実であり、講義の最初にその研究結果を簡単に紹介する。
    では、地上の植物は植食(草食動物)に食べ尽くされてしまっているのか? 事実はNoである。昆虫が植物の防御を完璧に打破して食害できるのにも関わらず、森林・草原等の地球上のどの地上生態系でも植物はほとんど動物(昆虫)に食べられておらず、植物だらけの緑の世界が広がっている。(一方で水圏や地中生態系はなぜか動物だらけである)。しかし、「なぜ地上生態系は緑なのか?」という私が抱いた実に素朴で単純な質問に、これまで生態学は全く答えを出せていなかった。そこで講演者は物質の流れとその平衡に注目し、食物網(連鎖)における各食物段階のバイオマスを物理単位付き(例えばkg protein / m3)の具体量として予測できる新数理モデルを作り出し、平衡条件で地上の植物をとても食い尽せないほど少ない植食動物(100mg湿体重/m2程度)しか存在できないことを確認することでこの問題に答えることに成功した(Konno K. (2016) Ecological Monographs 86, 190-214,). このモデルは他に1.植物だらけの地上生態系に比べて地中・水圏では動物の多い生態系が現れうること、2.植物の低栄養価、タンニン・プロテアーゼなどの致死的でない栄養的防御が確かに植物の昆虫による食害を減らす防御として働くこと、3.森林のような昆虫を中心とした生態系では、サバンナにおけるピラミッド型の食物網(教科書的な食物連鎖)が必ずしも成り立たず草食動物より肉食動物が同等か多い、ずんどう型あるいは逆ピラミッド形の生態系が出現しうること、4.誘導防御はなぜ有効か、などを説明できた。本講義では定量的食物網新数理モデルが示す現実について紹介したい。


  4. 平成29年11月22日(水)
    時間:17:00-19:00
    場所:農学部2号館1階 化3講義室
    講師:松尾隆嗣(東大・農・生・応昆)
    題目:求愛歌のリズムは実在するか?
    要旨:2017年のノーベル医学生理学賞は時計遺伝子periodをクローニングした3人の研究者に贈られた。periodはもともとキイロショウジョウバエの概日リズム突然変異体として発見されたが、現在では多くの生物で生物時計の中核を担っていることが明らかになっている。受賞者の一人Jeff Hallにはperiodに関してもう一つの重要な業績がある。すなわち、ショウジョウバエのオスが交尾時に翅を震わせて奏でる「求愛歌」のリズムもperiodの制御下にあり、概日リズムが変化するperiod突然変異体では求愛歌のリズムも対応して長くなったり短くなったりすることを発見した。さらには、近縁種のperiodを導入すると求愛歌のリズムが変化することを示した。これは、circadian rhythmとultradian rhythmが同じ分子で制御されていること、生物進化の原因遺伝子を同定したこと、の2点で画期的な成果であり、多くの教科書で取り上げられている。ところが奇しくもノーベル賞受賞者発表直前の今年9月、「キイロショウジョウバエの求愛歌にリズムは存在しない」とする論文がPNAS誌に掲載された。そこでは、音声ファイルの自動解析により大量の求愛歌を分析したがリズムは検出されず、求愛歌のリズムは手作業で統計的に誤った処理を行ったために生じたアーティファクトであると主張されている。世紀の発見は生物情報処理技術によって覆されたのだろうか?

    講師:内山博允(東京農大・生物資源ゲノム解析センター)【ゲストスピーカー】
    題目:NGSを使った昆虫研究
    要旨:私は東京農業大学の生物資源ゲノム解析センターで研究員をしており、NGSを使った研究のライブラリ作製などのウェットからin silico 解析などのドライまでを行っている。特に、昆虫を主とした動物のゲノムやトランスクリプトームの解析を行っており、NGSを使った昆虫の研究について紹介する。昆虫は多様な種が存在しており、そのゲノムはまだまだ未解読のものが多い。ゲノムサイズも様々だが、動物の中では比較的小さく、それほどの費用と手間をかけずにある程度のレベルのゲノム配列を得ることができる。それでも、飼育できるものも限られ、体サイズの小ささから得られるDNA量は少ないなどの問題点がある。それらを踏まえ、昆虫ゲノムを解読するため、我々はイルミナ社とオックスフォードナノポア社のシーエンサーを用い、ハイブリッドアセンブリを実践している。それらについて報告する。また、昆虫は上述のようにゲノムがわかっていない種が多いので、RNA-seqによるトランスクリプトーム解析で新規に発現遺伝子の情報を得ることが多い。当センターでも、多くのトランスクリプトーム解析を行ってきた。それらの一部を紹介する。さらに、今後、NGSを使った昆虫の研究がどうなっていくであろうかを議論したい。


  5. 平成29年11月29日(水)
    時間:17:00-19:00
    場所:農学部2号館1階 化3講義室
    講師:二宮正士(東大・農・国際フィールドフェノミクス)
    講師:郭威(東大・農・附属生態調和農学機構)
    題目:作物フェノタイピングの高速化
    要旨:次世代シークエンサの急速な発展はジェノタイピングを一気に高速化した。一方、対として必要になるフェノタイピングは多くの場面で、目視や手による計測に頼るなど旧態依然でボトルネックになっている。そのため、この10年ほどドイツ、フランス、オランダ、英国、オーストラリア、米国等でフェノミクス研究が盛んに行われるようになってきた。そして、フェノタイピング機器を開発製造する民間会社も数々登場し、国際農業研究機関や民間種苗会社、農業試験場、大学等への導入も盛んになりつつある。日本は、そのような潮流に出遅れたが、高速に取得されるゲノム、フェノーム、トランスクリプトオーム、メタボローム、イオノームなど作物を統合的に理解することで、作物品種デザインや栽培管理などに革新をもたらすものとして期待がたかまり、改めてフェノタイピングにも注目が集まっている。本講義の前半は、最近の高速フェノタイピングの研究開発の状況について概観する。後半は、センサープラットフォームとして近年急速に期待が高まり、利用も始まっているドローンによるフェノタイピングについて現状や展望について紹介する。

講義日程(平成26年度)

  1. 平成26年5月27日(火)

  2. 時間:17:15~
    場所:農学部2号館2階化学第一講義室(化1)
    講師:北田修一(東京海洋大学)
    題目:人工種苗が野生集団に及ぼす影響評価をめぐって
    要旨:人工繁殖技術は、魚介類の養殖や種苗放流による資源増殖の他、希少動物の保護増殖を目的として広く用いられている。しかし、近年、継代飼育で高成長個体を選抜してきたタイセイヨウサケ養殖魚や孵化場で生産されたタイヘイヨウサケ放流魚の野外における生残率や繁殖成功度が野生魚に比べて劣っていることが明らかになり、野生集団への深刻な影響懸念を提起している。この授業では、種苗放流が野生集団に与える遺伝的影響を中心に、実データに基づく研究を総括するとともに新たな展開についても紹介する予定である。果して、人工繁殖技術は野生動物集団の維持・増殖に有効なのか。ここでの結果は、保全生物に関しても有用な情報を提供する。

  3. 平成26年6月17日(火)

  4. 時間:17:15~
    場所:農学部2号館2階化学第一講義室(化1)
    講師:鈴木榮一郎(味の素株式会社)
    題目:基礎研究と実用開発における仮説検証とシミュレーション
    要旨:一般に、基礎研究においては、理論的モデル(作業仮説)に基づくシミュレーションと実験の結果の比較から、その一致度(再現性)が芳しくない場合は理論・実験の少なくとも片方の問題点を再検討・改善し、もし一致度が良好ならばシミュレーションに用いられたパラメターを有意義なものと認め他の研究に利用されるに至る。
    今日、値が十分確固としている点で、その最たるものが物理定数である。その一方で、電子スペクトルを再現する上でのフランク・コンドン因子などを得るには、多原子分子では相当程度複雑な計算を要することになるし、NOE等各種NMRスペクトルにおける個別分子系毎に求まる相関時間のようなパラメターも分子全体についてだけで決めるので済むならばまだしも、NOEデータを満足するタンパク質等の生体高分子のモデル構造はかなり膨大な核間距離のパラメター・セットとなる。
    また、それらのパラメター・セットは、スペクトルを再現するための十分条件ではあり得ても、必要十分条件である保証はない。これらの場合、就中スピード勝負のケースにおいては、より正確かつ精確なシミュレーションを目指すことが実用開発において必ずしもメリットを有しないことはよく経験することかも知れない。しかし、実は、愚直に努力を重ねて、より精密な再現をめざすことが全く無駄であるかというと、実用開発におけるコンセプト構築等においてこそ、そのような取り組みの結果、莫大な恩恵にあずかることがある。また、X線結晶構造解析などでは、一つの実験結果の温度因子をもとに考え込むよりも、複数の条件で構造を解く方が遥かに役立つことも多い。
    講演では、以上のような経験を、具体例に即して紹介したい。

  5. 平成26年6月23日(月)

  6. 時間:17:15~
    場所:農学部2号館2階化学第一講義室(化1)
    講師:田中隆治(星薬科大学)
    題目:植物ポリフェノールの科学―生理活性物質の構造活性相関―
    要旨:動物、特に哺乳類の生体内生理活性物質の多くはペプチドであるが、植物、あるいは下等な生物では脂肪族化合物が活性物質として多くみられ、ペプチドが生理活性を示すものは少ない。一方、全ての生物のこれら生理活性物質が作用する受容体、酵素は全てが類似した立体構造を有するタンパク質で構成されている事はよく知られている。
    このような事を考えながら、植物の細胞の中に存在する多くのフラボノール、フラバン、ポリフェノール類に興味を持ち、研究を進めてきた。その結果、多くの機能性食品素材を商品化し、またポリフェノール科学を利用した商品開発に応用した事例を話し、企業の研究開発に興味を持っていただきたい。

  7. 平成26年6月24日(火)

  8. 時間:17:15~
    場所:農学部2号館1階化学第3 講義室(化3)
    講師:浅川修一(東大・農・水圏生物科学専攻)
    題目:高等生物ゲノム解析の実践
    要旨:本講義では講師が実際に行なってきたヒトゲノム解析、さらには現在推進している魚介類(メダカ、 トラフグ、ニジマス、ウナギ、ブリなど)のゲノム解析、多型解析、トランスクリプトーム解析、さらには特定の表現型に関与する遺伝子の同定、などの研究を通して、どのように研究を進めてきたか、すなわち、どのように実験を計画、データを収集し、それらのデータ解析にどのようにバイオインフォマティクスの諸技術を活用してきたかについて紹介したい。

  9. 平成26年7月3日(木)

  10. 時間:17:15~
    場所:農学部2号館2階化学第一講義室(化1)
    講師:諏訪牧子(青山学院大学)
    題目:GPCRの分子機能メカニズムの多様性
    要旨:GPCRは、身体のあらゆる細胞に存在して多様な機能を担う。7本の膜貫通へリックスを持つなどの基本構造は類似するが関わらず何故このように多様化したか興味あるところである。この疑問を理解するため、本講義では、近年、急増しているGPCRの配列と立体構造情報を基に全GPCRファミリーを概観してGPCRの分子メカニズムの多様性化に関する研究を紹介する。私たちは、ゲノム配列からGPCR配列をほぼ網羅したデータベース(SEVENS)を構築している。この中の全GPCR配列にわたって保存度が非常に高い〔70%以上〕残基はGPCRのリガンド結合部位から、細胞質側に向う保存領域を形成していた。この保存領域周囲に注目し、Gタンパク質結合選択性が異なる2種のロドプシン構造や、Gタンパク質と結合した状態のGPCR構造(ロドプシンおよびβ2アドレナリン受容体)を用いて、Gタンパク質結合選択性に関与する領域とそれらの多様性を見出した。本講義では、この過程で用いられた配列解析や相互作用エネルギー評価などにバイオインフォマティクス手法がどのように用いられたかを紹介しながら進める。

  11. 平成26年7月8日(火)

  12. 時間:17:15~
    場所:農学部2号館2階化学第一講義室(化1)
    講師:西島和三(持田製薬株式会社)
    題目:科学技術イノベーションを担う創薬産業
    要旨:第4期科学技術基本計画(2011~15年度)の中、昨年に日本再興戦略として科学技術イノベーション総合戦略が策定された。健康長寿社会の実現が推進される現況下、創薬産業が科学技術イノベーションを担っている。講義では、治療満足度と薬剤貢献度が低い疾患の克服を目指す新薬の研究開発プロセス等を解説する。特に、合理的な創薬プロセスとして、新薬の創製を目指した標的タンパク質構造情報の有効活用について紹介する。
    また、最先端科学研究の創薬への貢献として、認知症(特にアルツハイマー病)の克服を目指した創薬プロセスへの分子イメージング応用を話題とする。

講義日程(平成25年度)

  1. 平成25年11月 1日(金)

  2. 時間:15:00-17:00
    場所:農学図書館ゼミナール室1
    講師:勝間進(東大・農・生産・環境生物学専攻)
    題目:piRNAバイオロジー:カイコを使ったpiRNAの研究
    講師:門田幸二(東大・農・アグリバイオ)
    題目:トランスクリプトーム解析の現況2013(詳細版)

  3. 平成25年11月 8日(金)

  4. 時間:15:00-17:00
    場所:農学図書館ゼミナール室1
    講師:松尾隆嗣(東大・農・生産・環境生物学専攻)
    題目:昆虫の食性は何で決まるか

    講師:大島一正(京都府大)
    題目:植食性昆虫の寄主適応:遺伝基盤と種分化の視点から

    講師:尾崎克久(JT生命誌研究館)
    題目:アゲハチョウが食べられる植物を見わけるしくみ ~分子から行動まで~: 今、非モデル昆虫の研究がおもしろい

  5. 平成25年11月15日(金)

  6. 時間:15:00-17:00
    場所:農学図書館ゼミナール室1
    講師:岸野洋久(東大・農・生産・環境生物学専攻)
    題目:タンパク質の構造と遺伝子発現が映し出す環境適応の役者

    講師:竹本和広(九州工大)
    題目:ネットワークから捉える代謝システム-個体から群集まで-

  7. 平成25年11月22日(金)

  8. 時間:15:00-17:00
    場所農学部2号館115号室(変更になりました!)
    講師:二宮正士(東大・農・附属生態調和農学機構)
    題目:野外での高速フェノタイピングに向けて
    講師:亀岡孝治(三重大・生物資源)
    題目:電磁波(光)を用いた作物の分光センシングとフェノミクス

  9. 平成25年12月6日(金)

  10. 時間:15:00-17:00
    場所:農学図書館ゼミナール室1
    講師:岩田洋佳(東大・農・生産・環境生物学専攻)
    題目:ゲノミックセレクションの実用化に必要となる情報科学とは?

    講師:矢野健太郎(明治大学・農)
    題目:大規模オミックス解析とデータベース構築

講義日程(平成24年度)

    今年度は開講しない。

講義日程(平成23年度)

  1. 平成23年10月14日15:00-17:00

  2. 講師:二宮正士(附属生態調和農学機構)
    時間:15:00-16:00
    場所:アネックスエンゼル研究棟講義室
    題目:農業生産の現場で求められるインフォマティクス

    講師:中川博視(農研機構・中央農研)
    時間:16:00-17:00
    場所:アネックスエンゼル研究棟講義室
    題目:作物生長シミュレーションモデルと遺伝情報

  3. 平成23年10月28日15:00-17:00
    講師:岩田洋佳(農学生命科学研究科生産・環境生物学専攻)
    時間:15:00-16:00
    場所:農学図書館ゼミナール室1
    題目:作物改良のためのゲノミクス:ゲノムワイドアソシエーション解析とゲノミックセレクション

    講師:七夕高也(農業生物資源研究所)
    時間:16:00-17:00
    場所:農学図書館ゼミナール室1
    題目:画像処理技術を活用したハイスループット形質評価技術

  4. 平成23年11月11日15:00-17:00
    講師:勝間 進(農学生命科学研究科生産・環境生物学専攻)
    時間:15:00-16:00
    場所:農学図書館ゼミナール室1
    題目:piRNAバイオロジー:カイコでの研究を例として

    講師:門田幸二(アグリバイオインフォマティクス教育研究ユニット)
    時間:16:00-17:00
    場所:農学図書館ゼミナール室1
    題目:農業生物のトランスクリプトーム解析における情報処理

  5. 平成23年11月25日15:00-17:00
    講師:松尾隆嗣(農学生命科学研究科生産・環境生物学専攻)
    時間:15:00-16:00
    場所:農学図書館ゼミナール室1
    題目:昆虫の生態と遺伝子レパートリーの進化

    講師:長谷部光泰(基礎生物学研究所)
    時間:16:00-17:00
    場所:農学図書館ゼミナール室1
    題目:非モデル植物のゲノム解析とゲノム比較からわかった植物の進化

  6. 平成23年12月9日15:00-17:00
    講師:岸野洋久(農学生命科学研究科生産・環境生物学専攻)
    時間:15:00-16:00
    場所:アネックスエンゼル研究棟講義室
    題目:ゲノム進化の統計的モデリング

    講師:田村浩一郎(首都大学東京)
    時間:16:00-17:00
    場所:アネックスエンゼル研究棟講義室
    題目:分子進化のインフォマティクス